営業力を養成し即戦力になるための実践的ノウハウを伝授!
── どんなクロージングトークを使っているのですか?
── 商品説明は出来るのですがクロージングが苦手なので、是非、効果的なク
ロージングを教えてください!
営業マンから受ける質問で、とても多いのがこのようなクロージングに関する
質問です。また、私のクロージングトークを一度聞いてみたいというリクエス
トを受けることもあります。
ところでトップセールスはどんなクロージングトークを使っているのか、あな
たは営業の現場で直接聞いたことがありますか? 多くの営業マンは「これさ
え使えば必ず契約してしまう」というような最強のクロージングトークが存在
すると思っているようです。
必ず契約させる必殺のクロージングトークとは?
お客様が思わず「売ってください!」と言いたくなる魔法のトークとは?
こうしたクロージングトークは本当に存在するのでしょうか?
どうすればクロージングが上達するのか? クロージングトークの練習方法に
関する質問です。セミナー終了後の懇親会でのことなのでその時の会話は録音
していません。記憶をたどりながら書き起こしてみます。
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IT系の企業に勤めています。担当は営業です。営業先は比較的規模の大きな
企業です。新規開拓の時は、企業に直接訪問しています。どうすればクロージ
ングが上達するのでしょうか? キチンと挨拶をして訪問の意図を伝えれば、
かなり高い確率で面談ができます。即日面談が出来なくてもアポの約束をもら
うことはできます。そして約束した日時に訪問すれば、ほぼ確実に会えます。
だからアプローチは問題ないと思っています。
それと相手の状況もそれとなく聞き出せます。自社のメリットを強調して伝え
ることもできます。商品説明もそれなりにスムーズに出来ます。なので商品説
明も特に大きな問題はないと思っています。
ただ、どうしてもクロージングが決まりません。商品説明を終えるといつも同
じパターンになります。
「素晴らしい商品ですねぇ」という反応があるのですが、その直後に「検討し
てみましょう」と言われてしまいます。そして「資料を置いていってください」
につながり、そのまま「必要な時はこちらからご連絡させていただきます」で
終わってしまいます。
こうなると手の打ちようがありません。仕方なく引き上げます。これ以上しつ
こく粘るわけにもいきませんから。その後は、待てど暮らせど音沙汰ナシです。
お客様から面談の連絡が来たという経験がありません。
商品には自信があります。説明を途中で中断されたことはありません。なので
多分、トークも大丈夫だと思っています。お客様の反応はとてもいいです。こ
ちらの投げかけにも丁寧に答えてくれます。絶対に興味を持って話を聞いてく
れているはずです。でもクロージングが決まりません。どうすれば、クロージ
ングが上達するのでしょうか?
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あなたなら、何て答えますか?
営業で大切なポイントは「必要なら買う!」というこの視点を見失わないこと
だと思っています。私はいつもこの視点を踏まえて営業しています。
長年営業をしていますが、何度も訪問して、何時間も商談を重ねてきて、それ
でも決まらないことが何度もあります。ホントに苦しいです。こんなに説明し
ているのに、なぜ売れないんだろう? 何が原因なんだ? 一番大きな理由は
何だ? 売れない理由を考えれば考えるほど営業に不向きなのではないかと思
えてきます。
例えば「商談も出来ずに売れない」なんてこともあります。でも、その状況だ
とそれほどショックはありません。説明していないから売れない。これはこれ
で売れない理由がはっきりしているからです。
問題なのはやはりこちら。「商談しても売れない!」このケースです。商談を
重ねてきた結果、売れない。何度も営業を仕掛けているのに売れない。最終的
な結論に到達するまでタップリ時間をかけて丁寧に説明しています。お客様に
は商品の価値も十分納得していただいてます。メリットも伝わっているはずで
す。それでも売れない。と、なると悩みますよネ。なぜ売れないんだ!? そ
して自問自答を繰り返す日々を送ることになります。
先輩に相談すると次々と問題点を指摘されます。
・トークの構築に見落としはないのか?
・質問話法はどこまで用意してあるのか?
あらゆる角度からアドバイスが飛び出してきます。
・商品メリットの提示方法を改良し続けているか?
・提示している事例は適切か?
先輩の数だけアドバイスが増え続けます。
・訪問回数は適切か?
・訪問間隔は適切か?
・提案資料の完成度は?
・提案力はどのレベルまで上達したのか?
・コミュニケーションに問題がないか?
・ヒアリングのスキルは身に付いているのか?
突きつけられる課題が多すぎて対処しきれません。ヘコみます。それも、かな
りベッコリ。立ち直れないくらい。どうすればいいんだ?
そんな時にこそ再確認しておきたいことがあります。それがこれ。営業の視点
です。見落としていませんか? 人は「必要なら買う」という視点。この視点
を持つと営業の考え方が変わってきます。まず、現状はどんな視点で営業をし
ているのか? ですが……。
お客様に商品を説明して購入を決断してもらう。商品の素晴らしいを伝えるこ
とが出来れば売れる! それが営業の仕事だと思っている。これが一般的な営
業という仕事の捉え方です。人は「いいと思えば買う」という視点ですネ。普
通はこの視点で営業を見ている人が多いようです。
他には、人は「こちらの熱意で決断する」という視点で営業を見ている人もい
ます。ちょっと古いタイプの営業マンに多く見られる傾向です。私はこのタイ
プの営業マンが苦手です。熱意を持って売り込まれるとウザイと思ってしまい
ます。
そして、もうひとつの視点があります。それが、人は「必要なら買う」という
視点です。営業の仕事は「必要のないところに行って、必要だと思わせること」
ではありません。そもそも必要のない物を売り込もうなんて発想は論外です。
では、必要だと気が付いていない場合はどうでしょうか? お客様がこの商品
の必要性に全く気が付いていない場合です。
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必要性(ニーズ)に気が付いていないから、押しかけて行って、必要性を教え
てやるんだ! 必要性に気が付くまでガンガン提案するぞ! 必要性がわかれ
ば欲しくなるに違いない。営業は提案力がモノを言う! よしっ! いくぞ!
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この発想は何となく正しいような気がしますが現実的ではありません。という
のも、私の限られた経験からでしかありませんが、どうも様子が違う。
提案で売ったこともあります。どちらかというと提案で売るのが好きだったり
します。ところが、どんなに提案したところで最終的に購入を決定してくれる
企業は最初からそれを必要としていたところばかりです。
私の提案で「必要だということに気が付いた」というケースは一件もありませ
ん。35年間あっちこっちで営業していますが最終的な合意まで到達できるの
は 100% 最初からニーズのあったところです。例外はありません。
でも、これはあくまでも「私の体験談」としての話です。それに私の提案の仕
方がヘタなのが原因かもしれません。
提案して受注したところを振り返ってみるとこんな状況が多いですね。
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必要なのはわかっている。ただ、早急に導入すべきかどうか。導入するにして
も、どのタイミングがベストなのか。今後の事業展開をどうするべきなのか。
何を基準に選択するべきか。導入コストは? 予算をどうするか? そのあた
りを判断しかねている。
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購入してくれた企業は最初からニーズを感じています。営業マンがニーズを教
えたわけではありません。提案したからニーズに気が付いたのでもありません。
最初から興味があった。だから営業マンの提案を聞いてくれた。それだけです。
営業トークの完成度とは無関係です。提案営業という営業スタイルとも無関係
です。購入する企業は最初から「必要だ」と思っている。私はそんな気がして
います。
強引な提案をしている時って、なんだか問題のない所に押しかけて行って、わ
ざわざ問題を作り出しているような複雑な気持ちになります。で、最終的には
「あーでもない、こーでもない」と説明した挙句、成立しません。
となると、営業する相手は……?
「必要なら買う」という視点で見るとすぐにわかります。
最初から必要だと思っている。もしくは、その商品に興味を持っている。また
は、興味はあるがまだ時期が早いと思っている。でも優先順位がよくわからな
い。どこを選べばいいのか判断基準が明確ではない。こうしたお客様が営業の
対象となります。これを「ターゲット」とか「見込み客」と呼びます。
お客様の購入意識は一律ではありません。「今すぐ必要」なのか「今後必要に
なる」と思っているのか。その違いはありますが少なくとも「それが必要だと
思っている」ことが重要です。これが「見込み客」です。
「見込み客」にはいくつかの段階があります。各ステップに分けることを「見
込み客のランクづけ」といいます。このランクのつけ方も様々ですが代表的な
のは五段階のランクづけです。
Aランク:今スグ買いたい!
Bランク:キッカケがあれば買いたい。
Cランク:興味アリ! 関心アリ!
Dランク:まだ時期尚早。そのうち考える。
Eランク:興味ナシ! 関心もナシ!
営業マンが絶対に相手にしてはいけないのは、どのランクかわかりますか?
おわかりですよね? ふたつあります。それがDランクとEランクです。まだ
時期尚早だと考えていて、いつ買うのかわからないお客様のいるDランク。そ
して興味も関心もないお客様のいるEランクです。
興味もない。買う見込みもない。このEランクのお客様は無視すること。それ
と、買うかどうかもわからないDランクは営業マンが直接面談して開拓する対
象ではありません。そんなことをしていたら経費がかかりすぎてしまう。他の
手段でコンタクトを継続するべきお客様です。
ここでわかって欲しいのはただひとつ。営業マンが絶対に相手にしてはいけな
いランクがある。ということです。会ってはいけない客がいる! これが売れ
る営業の発想です。営業マンが会ってはいけない客を見極めるには「必要なら
買う」という視点が必要です。
営業マンが対象とする相手は「見込みのある」お客様です。飛び込んだ営業マ
ンが無事にアプローチを突破して運よく出会えた人ではありません。何軒も断
わられ続けた末、やっと出会えた「営業マンの話をちゃんと聞いてくれる人」
でもありません。
買う見込みのあるお客様はどこにいるのか? 見込み客を探すにはどうすれば
いいのか? いいですか? 営業マンが対象とする相手は「見込みのある」お
客様です。偶然会えた人ではありませんよ〜! ポイントは「必要なら買う」
という視点を持つことです。この視点がないと誰にでも営業してしまいます。
手当たり次第、営業してしまいます。そんなことしていたら、いつまでたって
も売れませんよ〜!
その逆に売れる営業は「必要だと思っている人」にだけ会うようにしています。
それ以外は「客ではない」と思っているので最初から相手にしません。ところ
が「売れない営業」や「売れない企業」の考え方は、なぜか微妙にズレている
ことが多いようです。
興味もない。買う見込みもない。このランクのお客様まで振り向かせようと努
力しています。信じれませんか? まさか、と思いますよね? でも「売れな
い営業」ほど「買わないお客様」を真剣に選び抜いて必死に営業しています。
どうやって選んでいるのか、わかりますか? テキトーではありません。その
逆! 努力して選んでいるんです。悩みながら必死になって選んでいます。買
う見込みのないお客様ばかり。
典型的なパターンがこれ。
飛び込んだら話を聞いてくれた。やっと会ってくれた。よっしゃ! 頑張って
営業するぞ! よかった! ちゃんと話を聞いてくれるお客様だ! ついに
つけた。新しい「見込み客」だぞ! これ、間違ってます。
飛び込んだ。話を聞いてくれた。このお客様が見込み客である確率は限りなく
ゼロに近いです。少なくとも、これが最良の営業方法にはならないはずです。
その証拠にこうしたお客様ばかり相手にしているから、いつまでたってもクロ
ージングができないのです。
百歩譲って、たまたま会えたのだから、これでもヨシとしましょう。だとして
も次が続きません。なぜ? マグレだからです。運良く売れたとしてもそれは
例外です。例外を基準にして考えてはいけません。マグレでは次を予測するこ
とができません。
飛び込んだ。話を聞いてくれた。もしこの方法でヒットする確率が高ければ、
誰が営業しても、もっとラクに売れているはずです。今のあなたがそのタイミ
ングなら迷っていてはダメ! 競合する他社よりも早く! ガンガン営業マン
を増やして、ガンガン飛び込ませて、ガンガン売りまくってください。今が、
その商品の売れる時期です。ここで勝負すれば勝てます!
でも現実には、たまにポツンと売れる程度。なぜ? 見込み客を発見する方法
が間違っているからです。その商品が「必要だ!」という人に会えていません。
だから「商品説明はできるけど受注ができない」ということになってしまうの
です。
実は、腕のいい営業マンほど全く買うつもりのないお客様を相手に「クロージ
ング」を仕掛けるような間の抜けたことはやりません。では、どうするのか?
説明の途中でさっさと切り上げてしまいます。時間のムダですから。腕のいい
営業ほど、最初から相手にしません。切り捨てるのが早い!
では、なぜ売れない営業マンは全く見込みのない商談相手に軽々と捕まってし
まうのでしょうか? これが意外な盲点です。わかりますか? なぜ、売れな
い営業マンが買う見込みのない相手に捕まってしまうのか? その理由とは?
な、なんと、相手がビジネスマンだからです。だから簡単に捕まってしまう。
そう言う私自身も典型的な間の抜けた営業マンなので何度体験してもすぐに捕
まってしまいます。学習能力ゼロ。見込み客でもないのに熱心に説明。タップ
リ時間をかけて丁寧に説明。それだけで、すっかりいい仕事をした気になって
しまいます。
なぜ、そうなってしまうのか? 相手がビジネスマンだからです。ん! どう
いうことなのでしょうか?
ビジネスは、いつ、どこで、どんなチャンスが転がり込んでくるかわかりませ
ん。優れたビジネスマンほど常にアンテナを張っています。どこから素晴らし
い情報が飛び込んでくるかわからない。ピーンとアンテナを張って、待機して
います。
ビジネスマンから見ると……。
飛び込んできた営業マンが自社の業務に関連する情報を持ち込んでくる可能性
があると判断すれば、とりあえず話を聞いてみるのは当たり前です。
これを営業マンから見ると……。
飛び込んだ。アポが取れた。よかった! になります。これ、当たり前です。
アポがとれて当然なんです。キチンと挨拶した。キチンと用件を伝えた。面談
が出来た! これも当たり前です。普通の営業マンなら誰でも面談できます。
これは営業マンが身に付けている営業のアプローチスキルの問題ではありませ
ん。もし会えないとすれば、それは営業スキル以前の初歩的な営業マナーの問
題です。
アポが取れた。約束した時間に訪問した。面談することが出来た。なぜ、でき
たのか? 相手がビジネスマンだからです。目の前の営業マンがどのような商
品を提案するのか。どのような情報を持ち込んできたのか。その時、感度の高
いビジネスマンの対応は? じっくりと話を聞くのは当たり前だからです。
ここでもう一度、営業の前提となる条件を確認しますね。それは「必要なら買
う!」という視点です。人は必要のない物は買いません。興味のない物には必
要性を感じません。どんなに説得しても必要性を感じない人は買いません。で
は、誰が買うのか?
Aランク:今スグ買いたい!
Bランク:キッカケがあれば買いたい。
Cランク:興味アリ! 関心アリ!
このみっつです。これ以外は買わない! 営業マンが会わなければならないの
は、このランクのお客様だけです。このランク以外は会ってはいけません!
時間のムダです! 経費のムダです! 人は「必要なら買う!」これがポイン
トです。会うべき「見込み客」だけに会う! それ以外は会うな!
でも、どうやって会えばいいのでしょうか? 飛び込みで「見込み客」を探し
出すのは至難のワザです。なぜ? ここを考えるとすぐに答えが見つかります。
それは、興味があって、関心があって、買うことを検討している企業の担当者
は、真っ先に何をすると思いますか?
迷わずネットで調べます。導入の確率が高い企業ほど真剣に調べています。何
度もHPを訪問して気が済むまで調べます。類似商品を扱っている競合する他
社と比較検討します。よりいいものを探したい。より自社にふさわしいものを
探したい。当然ですよネ。だから検索して真剣に調べます。その結果どの企業
から買うかある程度絞り込みます。
買う意志がはっきりしている企業ほど、頼みもしない営業マンに飛び込まれる
のは、いい迷惑だと感じます。真剣に導入を検討している企業の担当者が会い
たいのはHPで比較検討した結果、最も興味を持った会社の営業マンです。そ
れ以外は、会いたくない!
そこにノコノコと訪問しても既にライバル企業の営業マンとかなり踏み込んだ
具体的な内容まで商談が進んでいる可能性が非常に高い! HPで検索して、
調べて、比較して、説明に来てもらって、商談を進めているとしたら……?
あなたに会う必要がない。飛び込んでも会えない確率が高いんです!
飛び込んだ。アポが取れた。これで売れたとしても、それはマグレです。売れ
る企業は「会ってからどうする」というトークよりも、どうすれば「効率よく
見込み客に会えるのか」という方法を研究しています。
どうすれば会えるのか? その方法を考える視点が「必要なら買う!」です。
