情報化時代の営業方法とは?

誰が売れる営業を育てるのか?

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 営業コンサルタントが受ける相談の中で最も多いのが「どうすれば売れる営
業になれるのでしょうか?」という質問です。「自分なりに頑張っているつも
りですが、このままではいつまで経っても先輩と同じように売れる営業になれ
るとは思えません。」こうした悩みを抱えている新人営業マンたちはすぐ身近
にいるキャリアの長い先輩たちにも相談していることが多いのです。ところが
売れる先輩たちの営業方法を参考にしたくても、成績のいい先輩ほど紹介によ
る契約が多いという事実を突きつけられ「あまり参考になりません」というこ
とも多々あるようです。
 
「どうやったら先輩のようにお客様から紹介をもられえるようになるのか?」
まだ一度も新規のお客様を紹介してもらったことのない新人営業マンは、途方
にくれるばかりです。新人は「懇意にしている顧客」と呼べるようなお得様を
持っていません。これでは、どこから手をつければいのか攻略法の糸口さえ見
えてきません。しかも、どこを向いても商品があふれ、飽和市場に包囲されて
いる現在は従来の営業ノウハウが通用しないことを日々の営業活動を通して実
感しています。先輩たちが新人時代に開拓していた営業スタイルを真似て同じ
ことをやっても当時のように新規開拓をすることができません。

 そのことは先輩自身もよくわかっています。自分が営業を覚え始めた当時と
比べるまでもなく、今日の市場の状況はあまりにも違いすぎます。飛び込みに
よる新規開拓のハードルの高さを誰よりも理解しているのは何年も同じ現場で
苦労している先輩自身です。紹介者「ゼロ」の「飛び込み営業」だけで新規顧
客を開拓できる必勝方法を伝授することは、かなり困難な課題だと先輩自身が
最も強く実感しているはずです。

 そうした中、若い営業マンはコンスタントに数字を叩き出している先輩たち
と、同じ商品を販売しているのに思うように伸びない今の自分を毎日比較しな
がら営業しています。新人営業マンは「売れる営業は豊富は経験と、天性の才
能が必要だ」と考える傾向が強くなっても不思議ではありません。そうした状
況を考えてみると「自分は営業には不向きである」との結論を出しやすいこと
も容易にうなづけます。

 営業に不向きどころか「もしかしたら、自分はこのまま売れない営業として
一生を終わるのではないか」と将来に対する不安を強く感じ、自信を失い、入
社当時に抱いていた夢は脆くも崩壊し、出来ることなら明日にでも転職したい
と考えながら、日々の営業活動をしている若い人が増え続けています。

どうすれば売れる営業を育てることができるのでしょうか?


詳しい商品情報を入手しているのは誰だ?

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 新規開拓の営業マンが売れない理由は大きく分けてふたつあります。ひとつ
は「営業トークの基本を知らない」こと、そしてもうひとつは「売るべき相手
に会えない」ことです。実際に営業担当者から現場の状況を聞き出してみると
売れない理由の多くは圧倒的に後者であることがわかります。

 信じられないかもしれませんが多くの営業マンは本来合うべきお客様に会っ
ていません。自社の商品を喜んで買ってくれるお客様がどこにいるのか見つけ
出すことができないのです。それこそ足が棒になるくらい一日中歩き廻っても
営業の対象となる見込み客に会えないことで悩んでいます。

 では、どうすれば効率よく「あなたからもっと詳しい話しを聞きたい」とい
う有望な見込み客と会えるようになるのでしょうか?

 その方法を検討する前に、一般的な傾向として商品の購入を検討している人
の行動パターンを再確認しておく必要があります。現在50歳以下のビジネス
マンでインターネットを利用できない人はほとんどいません。そして新しい商
品が必要だと感じたら、まずネットで検索して事前によく調べることが常識と
なっています。真剣に購入を希望している人ほど丹念に調べます。

 購入を希望するお客様ほど一方的に売り込まれることを極端に嫌う傾向が強
く、商品の機能や特長をネット上で検索するほうが、営業マンと面談するため
に貴重な時間を割くよりも、はるかに手軽だと感じています。そこで、どうや
って商品情報を入手するのかといえば最も手軽なのがホームページを調べるこ
とです。ということは、ホームページで詳しい情報を提供している企業が購買
の選択肢になります。

 通常、お客様は何社もの競合するライバル企業のホームページと比較します。
その時、そのホームページに記載されている情報に興味を持てば何度も訪れる
ことになります。ネットで自主的に情報を集める。比較検討する。そして納得
のいくまで分析する。そこで得た商品の知識が"ある一定の量"を超えた時、人
は行動に移ります。「もう少し詳しく知りたいから問合せてみようか?」とお
客様の方から企業に連絡します。「取引をするならこの企業にしようかな」と
ある程度絞り込んでから連絡することが多いのです。

 類似商品が氾濫している現在は、営業マンが説明しないと商品のよさは伝え
られないという時代ではありません。そもそも営業マンが説明してちゃんと伝
わる営業トークなら、それをそのまま文章にしてもらえれば、読んでも伝わり
ます。事前にネット上で調べた段階で、ある程度のことなら理解してもらうこ
とができます。その証拠に「商品の購入を真剣に検討している人ほど詳しい商
品知識を持っていた」なんてことも珍しくありません。これがネットの普及で
登場した情報化社会の特徴のひとつです。


熱心ではなく、しつこくて迷惑な存在

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 情報化が進んだこの時代、営業マンに対する認識も大きく変化しています。
例えば、30〜40代で活躍しているビジネスマンの多くは、頻繁に連絡して
くる営業マンに対して「熱心な営業マン」ではなく「しつこくて迷惑な存在だ」
と受け止めている人が多いのです。何度も売り込みにくる営業マンは自分の仕
事を中断させる困った存在でしかありません。

 優秀なビジネスマンほど自社の状況も把握しないまま一方的に売り込みに来
る営業マンとの面談を時間のムダであると感じています。また業務中にかかっ
てくるテレアポで仕事を中断させられることを嫌う人も多く、営業のテレアポ
は一切取り次ぎをしないように部下に指示を出している企業も珍しくありませ
ん。

 このように情報化社会のお客様は、営業マンから売り込まれることをあまり
歓迎していないことは容易に想像できます。購入のために必要な情報は、営業
マンから聞く必要性を感じていませんし、ネットで検索すれば十分だと考えて
います。ホームページを読んでもよくわからなければ、よりわかりやすい形で
情報を提供している企業のホームページを選べばすむ問題なので不十分な情報
量しか掲載しないような企業とは付き合う必要さえ感じていません。営業マン
との面談を希望するのは商品の購入を前提に、もっと詳しい話を聞きたい時だ
けにしたいと思っています。

 ネットが普及している現在、営業マンがノコノコとあてもなく歩き廻って見
込み客を探しにいく時代でしょうか? 頼みもしないのに突然訪問してくる営
業マンの活動を、多くのお客様は非常に迷惑な行為だと感じています。このよ
うな状況下で、営業マンに積極的な営業活動をさせる。または新規開拓のため
に訪問させる。そうすることで何が起きるのでしょうか? お客様から引き出
せるものは? 拒否反応です。苦労してやっと面談までたどり着けたとしても
ほとんど話を聞く体制になっていない人を相手に商談をすることになります。
つまりやっと話を聞いてくれる人に運よく会えたとしても、お互いにムダな時
間を作り出すだけになりやすい。


どんなお客様とお付き合いしたいのか?

 果たしてムリして訪問することが最善の方法なのでしょうか? 望まれてい
のにノコノコと出かけていって商談に持ち込むことが本当にお客様のためにな
るのでしょうか? それよりもお客様が調べたいと思ったときに調べたい環境
を用意してあるほうがお客様も助かります。そして「こんなことが体験できま
すよ。とてもおもしろい情報がここにありますよ」という旗を振って、興味の
あるお客様に振り向いてもらうにはどうすればいいのかを考えるべきです。

 どんな旗を振るのか? それはあなたの存在がすぐにわかる旗であり、他社
との違いがすぐにわかる旗でなければなりません。お客様が振り向いてくれる
旗を振って、あなたが扱っている商品に興味のあるお客様に手を挙げてもらう。
あなたが一生お付き合いしていきたいお客様だけに振り向いてもらうには、ど
んな旗を振ればいいのかを考える時代です。

 どんなお客様に振り向いてもらいたいかを決定するのは経営者の仕事です。
例えば、ある保険会社がテレビCMで盛んに振っている旗は、とにかく安い保
険料で入院と治療の金額を保証して欲しいと思っている高齢者に向けて振り続
けています。この旗に共感したお客様は、この旗を目指して集まってきます。
この保険会社の場合は、低価格に反応する人を対象に呼びかけているので、解
約率は高くなるような気がしますが、いずれにせよこうした判断は営業担当者
ひとりひとりが勝手に決定することではありません。どんな旗を振るのか。そ
れを決めるのは経営者です。会社が向かっている目的地をお客様に対してハッ
キリと指し示す旗です。会社が集めたいと思っている顧客層に向けて振る旗で
す。誰が見てもすぐにわかる明解な旗が必要です。


どうやって振り向いてもらうのか?

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 振り向いて欲しい人に振り向いてもらう。そのための目印となる旗を振る。
では、どうやって旗を振ればいいのでしょうか? この旗をお客様の目に触れ
るようにするにはどうすればいいのでしょうか? これは何もテレビCMに限
りません。新聞の折込チラシや、DM、雑誌の広告、ポスティングのチラシ、
ニュースレターでも同じです。大事なことは振り向いて欲しいお客様が、パッ
と目にしただけで「あっ。私のことだ!」と思うような旗を振ることですが、
漠然と振り回しても誰も振り向いてくれません。

 旗を振って集客する。この集客のポイントは絞込みです。漠然と「みなさー
ん」と呼びかけても誰も振り向きません。「20代、未婚の女性で、スタイル
に自信があって雑誌のモデルをやってみたいと思っている人はいませんか?」
とそこまで絞り込んで初めて人は反応することができます。絞り込みができて
はじめて呼びかけられた人が「あっ。私のことだ!」と受け止めてくれます。

 集めたい人に向けて旗を振ると、集めたい人が集まります。呼びかけに反応
する人は、呼びかけた条件に該当する人です。そのためには集めたい人を明確
に絞り込んだ、わかりやすい旗を振ることです。そして該当する人にだけ手を
挙げてもらう。そこへ情報を継続的に届け続けるようにします。定期的に発信
するツールとホームページを連動させるなどいくつかの方法があります。ある
一定量の情報を受け取った時、人は行動に移ります。もっと詳しい話を聞きた
いと連絡してきます。そのお客様にだけ営業マンを向かわせた方が、はるかに
制約率はアップします。


販売は本当に営業任せでもいいのか?

 企業からコンサルティングの依頼を受けてお話を伺いにいくと「販売は営業
マンの仕事だ」と思っている経営者がとても多くて驚きます。そうした経営者
の多くは、実はかつて営業で活躍していた経験があり、自分と同じようにやれ
ば誰でも売れるはずだと思っています。それと売れないのは営業の腕の問題だ
と考えているようです。

 営業力を強化することでもっと売りたいし、もっと売れるはずだと考える。
ところが新人教育は時間がかかりすぎます。一人前になるまで何年もかかりそ
うです。そこまで待てません。そこで腕のいい営業マンをたくさん集めようと
します。人海戦術ですね。でもそうなると今度は人件費が一気に跳ね上がりま
す。それでは利益がだせなくなります。

 それでも「どこそこの企業にいるトップセールスが何億円も売った」とか、
そういった情報を耳にするたびに、やはり腕のいい営業マンを増やしたいと思
ったり、自分が知っている営業ノウハウを教えれば「売れる営業が育つはずだ」
と思うようです。

 どの業界でも必ずと言っていいほど天才的な営業マンがいるものです。カリ
スマと呼ばれている人たちです。若い営業マンにしてみても「できることなら
そうした天才営業マンの真似をしたいな」と憧れるのかもしれません。ところ
が実際には普通の営業マンには天才のノウハウには手が届きません。天才のテ
クニックは天才だからこそ使いこなせるテクニックです。

 営業トークも同じです。天才のトークは天才と同じレベルに到達しないと使
いこなすことができない高度なテクニックを駆使したトークです。普通の営業
マンが天才のトークに挑戦したところで真似することさえできない。天才の営
業方法は天才だから通用する。結局そこに行き当たります。

 ところが多くの企業は新人に天才の真似をさせたがります。「先輩のいいと
ころを盗め!」と。しかし結果は目に見えています。自信の喪失と離職です。


この時代の営業マンに求められることは何か?

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 時代はすでに情報化社会に突入しています。それにともなって営業方法もす
っかり変わっています。その証拠に従来の営業方法の多くは、お客様から敵意
を持たれるほど嫌われています。そんな方法で数字を出せるのは一部の天才だ
けです。いつまでも一部の天才に頼っている企業は成長するが困難な時代にな
っています。理由はそうした従来型の営業スタイルをマスターする新しい人材
が育たないからです。それに営業の天才はそんなに簡単に作り出せるものでは
ありません。それよりも、誰がやっても結果が出せるような仕組みをシステム
として構築してしまった方がはるかに安定した売上を生み出してくれます。

 この時代の営業マンに求められることは、天才営業マンになろうとすること
ではありません。天才的なトークをマスターして、興味のないお客様まで強引
に説得することでもありません。そのための天才的なテクニックを習得するこ
とでもありません。相手をコントロールしようとする営業ノウハウは効率が悪
すぎます。そもそも興味のない話を真剣に聞きたいと思う人はいません。商品
に興味を持った人は好きなだけ調べたいと思っています。ライバル企業の製品
と気の済むまで比較検討したいと思っています。

 営業マンがお客様を捜し歩いて積極的な売り込みを仕掛けるスタイルよりも
もっとお客様にとって居心地のいい営業方法に切り替えないと、お客様は貴社
に対してますます嫌悪感を強く感じるようになります。営業のテクニックを駆
使した強引なアプローチは不要です。それよりも最初から興味を持っているお
客様だけを集めて、そのお客様に向けて情報を発信して行く方が何倍も効果的
です。お客様の期待に応えるように全力で、そして継続的に情熱を傾けるべき
です。

 どんな業界でも営業の基本は変わりません。ビジネスは「人」と「人」の間
に存在しています。人から人へ情報を発信して、人に何らかのイメージを描か
せることがビジネスの基本です。人は商品を通して「何かが変わる」ことを期
待しています。何がどう変わるのか具体的にイメージできなければ動くことが
できません。人が行動するときはハッキリとイメージが出来たときです。人に
何らかのイメージを描かせることでモノは売れます。


 営業マンは営業トークが必要です。営業テクニックも必要です。でも、それ
だけでは安定した結果を出し続けることは困難です。それでも営業を覚えたて
の頃は今まで使いこなせなかった新しいトークを覚えたり、営業テクニックが
使えるようになると、なんとなくスキルがあがったような気がするものです。
それだけに注意してください。営業マンはトークに逃げるな! 営業テクニッ
クを追いかけるな! ということを肝に命じておいてください。情報化社会の
営業はそうしたスタイルで営業されることを誰よりもお客様が敬遠しています。

 強引な売り込みは長続きしません。それよりも、お客様のためにわかりやす
い旗を振って、あなたの商品に興味を持ってくれるお客様だけを集めることが
先決です。そして、あなたの情報を待ち続けているお客様をもっともっと大切
にするべきです。

 あなたの商品を求めているお客様が、簡単にあなたを発見出来るように、今
すぐ明解な旗を用意して思い切り振ってください。お客様は今もあなたを探し
ています。


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