話のテンポもいいし、笑いを取るのもうまい。

私だけではなく仲間もAさんは営業に向いていると思っています。

ところが当人は悩んでいました。

売れないんです。

訪問先で相手とすぐに仲良くなれるけど売り込むことができない。

がんばっているのに成果が出ない。

Aさんは話術だけでなんとかしようとするタイプではありません。

業界のことも詳しく、商品知識も豊富でよく勉強しています。

ロープレでチェックすると商談の流れはとてもよく構成されているし、状況確認の質問もこなれているし、ニーズの有無や緊急性を聞き出す質問もきちんと押さえています。

話し方に問題となるようなクセも見当たりません。

基本通りです。

こうなるとどこに問題があるのかわからなくなる。

ですが、私は滑らかなロープレを聞きながらあることが気になっていました。

「抜き」です。

もしかしたら抜くことを知らないのではないか。

話がうまくて、商談の構成が上手な人によくあるパターンです。

 

 

文章の書き方でよく登場するのが起承転結ですが、これと同じように商談の構成方法として四つのブロックに分けて進めていく方法があります。

すべての商談で通用するわけではないのですが、一応、基本となる型がいくつかあります。

この基本構造を知らないと上達しないのでそのまま覚えてしまえばいい。

問題はここなんです。

基本構造を理解して覚えたらそのまま使えばいいとはならない。

机上では完璧でも、実際の商談では基本通りに話が展開することはまずありません。

とはいえ商談の流れそのものは基本通りに進めたほうがいい。

ですが、必要なところしか使わないんです。

流れは変えずに必要なブロックしか使わない。

 

 

たとえば四つのブロックがあっても、最初のふたつのブロックは簡単なやりとりでバッサリ切り捨てて、いきなり三つ目のブロックから商談が始まることもあります。

頭の中では基本通りに四つのブロックが順番通りに並んでいますが、実際に使うのは三つ目からのほうがうまくいく場合がある。

どれを省略すればいいのかという決まりがないんです。

最初のブロックをたったひとつの質問で済ますこともある。

状況によります。

たとえば一つ目を省略して、ふたつ目から始めて、三つ目を省略して、四つ目に入ることもあります。

すべてのブロックを型どおりにすべて使うのではなく、相手の状況に合わせて不要なブロックを「抜く」ことを覚えると、対話にテンポが生まれ、気持ちに余裕が持てるようになるし、相手の知りたいことにフォーカスしやすくなる。

 

 

完璧に構成された流れでも、適度に「抜く」ことによって、まるで録音したトークを再生しているような一方的なプレゼンにはならず、対話を中心とした中身のある商談になります。

とかく話のうまい人は自分が言いたいことを語りすぎる傾向が強いんです。

相手によって使い慣れたトークを「抜く」ことを意識してくださいね。

 

 

 

ー 撮影場所と機材 ー

横浜
Canon PowerShot G7X

 

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吉見 範一(よしみ のりかず)

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