商談の成否は、最初の印象、すなわちアプローチによって大きく左右されます。
しかし、冒頭で強烈なインパクトを与えることが、必ずしも成功に繋がるとは限りません。
Aさんのアプローチブックは「最初のインパクトを重視する」というコンセプトを的確に組み込んであります。
確かに、顧客の注意を一瞬で惹きつけることは重要ですが ……。
しかし、その後の展開が平凡であれば、顧客は期待外れを感じ、商談全体の評価を下げてしまう可能性があります。
重要なのは、インパクトと結論のバランスです。
提案そのものがさらに強いインパクトを与えるものであれば相手も乗り気になってくるはず。
一方、期待に応えられない結論は、顧客の満足度を著しく低下させてしまう。
だからこそ、インパクトだけに頼るのではなく、異なるアプローチを試みてみませんか。
私が推奨するのは「ジワジワ」と顧客の心をつかむアプローチです。
1. 事例でジワジワ
具体的な事例を用いて、少しずつ話を展開していく方法です。
事例を通して相手に共感や納得感を持たせることで、自然と話に引き込まれていきます。
これにより、最初から強いインパクトを与えることなく、じわじわと興味を引き出します。
2. ストーリーでジワジワ
一連のストーリーを通して、少しずつ話を展開していく方法です。
ストーリー形式で話を進めることで、相手に次の展開を期待させ、一貫性のある流れで自然と興味を引き出します。
これは、ドラマや映画を見るような感覚で商談を進めることができます。
3. 相手の課題をからめてジワジワ
相手が抱える課題や問題点にフォーカスし、それに対する解決策を少しずつ提示していく方法です。
相手が直面している問題に共感し、それを解決するための具体的な提案を少しずつ進めることで、相手の興味を引き出します。
これらのアプローチは、顧客に「押し付け感」を与えることなく、スムーズに商談を進める効果があります。
「ジワジワ効果」は、商談を円滑に進める上で非常に有効な手段です。
もちろん、最初のインパクトも重要ですが、その後の展開を考慮したバランスの取れたアプローチが、最終的な成功を左右します。
ぜひ、これらの異なるアプローチを試してみてください。
新たな視点を取り入れることで、商談全体の質が向上し、より効果的に顧客の関心を惹きつけられるはずです。
ー 撮影場所と機材 ー
横浜
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.
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お客さんに価値のある未来を提供するために……。

吉見 範一(よしみ のりかず)

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