青森ウォーターフロントエリア
Nikon COOLPIX P310
画面の奥に見えるのが青函連絡船として活躍していた八甲田丸です。
青函トンネルが完成すると、その役目を終えることになった。当時は青森駅と函館駅を結び、鉄道車両と車とバイクと人を運んでいました。
このレールは当時のものがそのまま残されています。この場所は立入禁止です。もう少し風化が進んだらボロボロと崩壊しそうな感じに見えます。うっかり踏み込んだらボコっと海に落ちてしまいそうです。危険です。
ですが、この前に立って黙って見ていると、当時の空気がそのまま残されている気がする。歴史が伝わってくる場所なんです。
地元では劣化の激しい八甲田丸を補修しようという動きがあるそうです。もしかしたら船の補修が進めば、この風情のある場所も「このままでは危険だから」という理由で跡形もなく片付けられて、整備されて、記念のレールがチョコンと飾られることになるのかもしれない。
風情をリアルに感じることができるのは、今がラストチャンスかもしれませんね。
私の地元の『横浜みなとみらい地区』はあっちもこっちもキレイに整備されて、横浜の歴史を伝える貴重な遺跡の一部がモニュメントとして飾られていますが、当時の風情を感じることはできません。ここも同じ運命をたどりそうな気がする。
非現実的だとは思いますが、八甲田丸はペンキを塗りなおしてキレイに仕上げてもいいけど、このレールだけはこのまま残しておいて欲しいなと思った。飾り物ではない本物だけが持つパワーを感じることができる場所だから。
新規市場を開拓するときの武器として、目新しさを前面に押し出して訴求ポイントにするのもひとつの方法。
でもそれ以上に、そこにしかない歴史って、誰にも真似のできない独自性だったりすることが多いんです。
市場の創造は本当におもしろい仕事です。
一緒に挑戦しましょう!

吉見 範一(よしみ のりかず)

最新記事 by 吉見 範一(よしみ のりかず) (全て見る)
- 「欲しい」の裏側を覗くマーケティングの入り口 ~ サングラスからダイエットまで応用自在の思考法 - 2025年5月8日
- この差が半年もすると大きな違いになる - 2025年5月6日
- もう力づくの説得はやめよう。商談相手を「その気にさせる」対話術 - 2025年5月6日