日本全国の主要都市に
支社や支店を置くような大企業は、
マスマーケットで一定のシェアを獲得することで
利益を生み出しています。
まあ、そりゃそうですよね。
マーケティングの本を開けば、
そうした事例がたくさん紹介されています。
では、
限られた範囲にしか
手が届かない小さな会社は、
どうすればいいんだろう。
この規模になると、
マーケティングの本でも
あまり取り上げられていないんですよね。
でも、基本的な考え方は同じです。
規模はまるで違いますが …… 。
小さな会社でも、
ニッチな市場でシェアを獲得することで、
必要な利益を確保することはできます。
とはいえ、
これだけ原価が高騰してくると、
値上げは避けられません。
ただ、
安易に客単価を上げようとすると、
目先の計算で利益を出すことばかりに
目が向きやすくなります。
このさじ加減が
難しいんですよね。
こんなことがありました。
ふたつの最寄り駅の中間で
営業していた寿司屋のご主人が、
かなり追い込まれていたんです。
それぞれの駅のすぐ近くに
回転寿司のチェーン店ができて、
お客さんの流れが
変わってしまった。
閉店も視野に入れていました。
そのご主人は、
若いころから関西の有名店で修行し、
その後も関東で、
銀座をはじめ何軒かの有名店で修行。
そして地元で店を出した。
最初は、
かなりの繁盛店だったそうです。
でも、
時代の流れには
なかなか逆らえない。
そこで私が提案したのが、
イベントでした。
定休日に近所のお得意さんへ声をかけて、
「プロの寿司職人が教える
手巻き寿司のちょっと変わったアレンジ」
とか、
「お得で美味しい
変わり種のちらし寿司」
なんていう教室をやってもらった。
そこで、
お客さんの奥様たちに
声をかけたんです。
そのときに、
寿司ネタの新鮮さや、
プロの職人ならではの技術についても
ご主人に話してもらった。
すると …… 。
そうなんです。
ジワジワと、
お客さんが戻り始めたんです。
別に、
回転寿司と値段で勝負したわけじゃない。
「うちの寿司は、
こんなにすごいんですよ」
と店の中で言っていただけでもない。
お客さんに、
この人がどんな仕事をしているのかを
知ってもらった。
それだけなんです。
低価格だけで選ばれているとしたら、
この先の値上げで
ますます厳しくなるのは
目に見えています。
だから私は、
小さな会社ほど
「この店だから」
「この会社だから」
という理由で選んでくれる人を
大切にしたほうがいいと思っています。
派手ではないけれど、
こういう積み重ねが、
小さな会社には
案外、大きな力になるんですよね。
ー 撮影場所と機材 ー
横浜/みなとみらい
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.
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吉見 範一(よしみ のりかず)
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