私が配属された横浜本部の営業チームに、
若くて、元気で、明るい子がいた。

誰よりも頑張っていた。

ただ、一生懸命に回っているのはわかるけど、
数字が一向に上がってこない。

それでも、よく続けているなと感心していた。

 

 

ある日、営業担当者を集めた
新商品の説明会があった。

丸1日、缶詰状態です。

外に出るのが好きな私には、
1日中、机に向かっているのは苦痛でしかない。

私もよく耐えたと思う。
← お前はどうでもいい(ーー;

午前の部が終わり、昼食をとっていたら、
その明るくて元気な子と同じ席になった。

「どうしてこの仕事を選んだの?」

そう聞いてみた。

実は …… 。

 

 

両親で飲食店を営んでいるそうだ。

ところが数カ月前、父親が体調を崩して入院。
母親もひとりで頑張っていたけれど、
過労で入院してしまった。

そこで、一人娘のこの子が、
給料のいい営業職を見つけて応募してきた。

とはいえ、今の成績のままでは、
この先ちょっと厳しいかもしれない。

そこで、よせばいいのに、
私の営業に同行させたんです。

 

 

現場でどう話を展開しているのか。
営業ツールをどう使っているのか。

一週間、みっちり教え込んだ。

すると、みるみるうちに受注数が増え始めた。

穏やかじゃないのは、ほかの女の子たちです。

「どうして、あの子だけ教えるの?」

視線が冷たい。

そんなの、あの子が一番可愛いからに
決まってるだろ。

…… と言いたかったけど、
あとあと面倒なので黙っていた。

そのかわり、次に可愛い子を同行させて、
同じように現場でしっかり教えてあげた。

 

 

手間がかかるんですよ。

全員まとめて一括で教えればいいと
思うかもしれないけどね。

「1対n」では、人は育たないんです。

「1対1」で、しかもアナログじゃないとね。

まんべんなく教えたってダメなんだよなぁ~。

エコひいきじゃないとね。

がっつりエコひいきして、
ひとりずつ、しっかり教える。

最初は、一番頑張っている人を育てる。
あとは、いったんほったらかし。

チーム全体のレベルを引き上げようと思ったら、
まずはそこからスタートする。

 

 

底辺をボトムアップしようとしても、
数字が伸びた経験はほとんどない。

それよりも、トップをもっと伸ばす。
トップがいなければ、
一番頑張っている人を引き上げる。

なんだかんだ言っても、
実戦ではこのやり方の方が
いい結果につながるんだよなぁ~。

 

 

 

ー 撮影場所と機材 ー

京都
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.

 

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吉見 範一(よしみ のりかず)

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「ちいさな会社の販売戦略」を設計する専門家/ 経営者を対象とした少人数制の個別コンサルティング = Y’s CLUB = 主宰
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