このスペースには同じ椅子が大量に並んでいました。
もしこの場所が自社の市場なら独占状態ですよね。実際にはこの写真には写っていませんが、この椅子以外にも幾つか配置されています。
それにしても、この赤い椅子が占めるシェアは大きい。
マーケティングの目標に市場シェアの向上を掲げると、一般的に「売上至上主義」と受け止められやすいんです。
よく耳にするのが「赤字覚悟の安売りをしてでもシェアをとれ」ってやつですね。
無理してシェアを拡大するのはいいけど「利益率はどうなっているんだ」なんて追求されちゃう。
でもね、実際には最初にシェアを向上させておくと、結果的に利益率もあがることの方が多いんです。
特に中小企業の場合は、市場を絞り込んでその中でのシェアを拡大させるという戦略をとることになるので、儲かるメカニズムは知っておいてくださいね。
シェアが高い方が儲かる理由は、大きく分けてふたつです。
ひとつ目は規模の経済性。
シェアが高ければ大量に作れます。少量生産より大量生産した方がコストが低くなる。だから儲かる。
ふたつ目は経験。
大量に作ると、技術、スタッフの反応、作業工程の効率化、製造工程の工夫などにより能率がよくなります。だから儲かる。
しかし、ある程度まで市場シェアが拡大して商品が普及すると、いつまでも大量生産はできません。また、改善の余地が徐々に少なくなるから、経費削減の効果も失速してきます。
市場シェアってとても大事なんですが、時期を分けて考える必要があるんですよね。
「規模の経済性」と「経験による経済性」を重視してシェアを拡大する時期と、シェアの拡大よりも利益を追求する時期です。
何も考えずに、ただ「売ってこい!」ではムダに営業マンを動かすことになります。
自社が今どの時期なのか。何を優先させるべきなのか。
把握していますか?
市場の創造は本当におもしろい仕事です。
一緒に挑戦しましょう!
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吉見 範一(よしみ のりかず)
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