グルメの間で
「黄金サバ」とも呼ばれる、
三浦半島の「松輪サバ」。
その松輪サバで作った
鯖の棒寿司は、
感度のいい人になると、
アーモンドのような
微妙な旨味がわかるらしい。
ただし、条件があります。
最高の素材と、
職人の技術。
この二つが出会って、
初めて生まれる
繊細な味のニュアンスなんです。
私のクライアントだった
お寿司屋さんは、
その両方を
きっちりクリアしていました。
だから、
常連さんに愛されていた。
その大将から
聞かせてもらった話が、
今でも妙に残っています。
「料理の味なんて、
先入観で七割くらい決まるんだよ」
言葉の威力は、強烈です。
「旨味が違う」
そう伝えられると、
人は「旨味」を期待する。
食べれば、
今度は「旨味」を
探しに行く。
自分の舌で
確かめはじめるんです。
そして、
「あ、これか!」
と発見する。
体験できたと納得する。
期待通りだったと、
満足してくれる。
私はそこで、
コピーの力って、
こういうことなのか …… 。
と、妙に腑に落ちました。
また食べたいなぁ~。
でも、
大将は85才を超えて、
「もう体力の限界だよ」
って、お店を閉めちゃったんです。
長い間、
お付き合いさせてもらったなぁ。
客商売のツボも、
ずいぶん教わりました。
…… いま思うと、
私は寿司を食べに
通っていたのか、
商売のキモを
いただきに行ってたのか。
ちょっと怪しいです。
ー 撮影場所と機材 ー
東京/港区
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.
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吉見 範一(よしみ のりかず)
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