社長は他社のサンプルを手に取ると何かを確かめるかのようにじーっと見つめている。
「これならウチでも作れます。ここを改良すればもっと使いやすくなるし、もっといい材料で作れば耐久性もアップするし、もっと安くできる」と断言した。
この会社の技術力があれば可能だと思います。
ですが、これまでとは違うジャンルの製品を生産することは容易であったとしても、自社のブランドをそこまで拡張するのは必ずしも容易ではありません。
すでに多くの利用者が「OOと言えばOO社だ」と記憶しているとしたら、後発の無名のメーカーがそのブランドイメージを書き換えるのはかなり難しい。
がんばって改良バージョンを売り出したとしても「本物そっくりの偽ブランドだ」と受けとられやすいんです。
それはそのまま価格競争に参加することになります。
小さな会社にとってとても不利な選択です。
改良バージョンで勝負するという発想から抜け出さないと、忙しいだけで儲からない状況を自らの手で作り出すことになる。
検索すれば手軽に情報が手に入ります。
ですが、特に気を付けて欲しいのは新しいコンセプトを自分の頭で考えることをせず、他社の情報を集めるだけの人になってしまうことです。
自社の考え方は他の会社とどこがどう違うのかを明確にしていくことで営業力は育っていきます。
仕事から離れた視点で考えないと、どうしても今までのやりかたを中心とした発想になりやすい。
自社の窓から他社の様子を眺めてあーだこーだ考えていると、意外と簡単に改良バージョンを思いつくかもしれない。
でもそれって他社のマネになっちゃうよ!
ー 撮影場所と機材 ー
杉並区
Canon PowerShot G7X
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吉見 範一(よしみ のりかず)
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