半世紀前の、私が二十代の頃の体験談なんだけどね。
引っ越し屋さんでアルバイトをしたことがある。
家族ぐるみで日本へ赴任してくる外国人専門の引っ越しでした。
体力的にはきつかったけれど、面白い仕事だった。
条件も今から考えるとずいぶんと緩やかで、当日の朝に電話で「行けます」と伝えれば、すぐに仕事をもらえた。
休みたい日はいつでも休める。
なんとも気楽な環境だったので、私の周りには、まだ芽が出ないバンドマンたちが多かった。
あの頃は、会社に行くたびに色々な体験をしてきた人に出会えたから、それだけでも社会勉強になっているような気がしたものです。
そういえば、何もかも投げ出したくなるような、どん底を経験している人も何人もいた。
長年身につけたノウハウを全否定されて、苦しくなって逃げ出すように前の仕事を辞めたものの、それでホッとできるはずもなく、周りを見れば自分以外のだれもが幸せそうに見えて、ますます苦しくなる。
何を見ても「ダメだ」「無理だ」としか思えなくなってしまう。
そんな状況にどっぷり浸かりながら、辛い気持ちを抱えてこのアルバイトに来ているような連中でした。
でもね、彼らには共通点があったんです。
それは、めちゃくちゃ人に優しかったこと。
「あんちゃん、大変なときは『こりゃ大変だ』って声に出しながら、頭を低くして頑張るんだよ。そうしていると、ずーっと後になって『あの頃はいい経験をさせてもらったなぁ』って思えるようになるから」そう言っている当人も、見た目はとても大変そうだったけど。
でも、なぜか心にはゆとりというか、余裕のようなものが感じられた。
金銭的には苦労しているはずなのに、焦っているのとは反対に、どこかゆったりと構えているように見えた。
あの時の彼らの言葉や佇まいを見ていると、人生って良い時もあれば、どうしようもなく辛い時もあるものなんだな、と感じたんだ。
そりゃあねぇ、人生なんてそんなもんだよ。
順風満帆で嫌なことは何ひとつ経験したことがない、なんて人はいない。
理由は分からないけれど、ひとりで抱え込まないことだね。
不思議となんとかなるもんだ。
話したくなったらいつでもいいよ。
ー 撮影場所と機材 ー
横浜/みなとみらい
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.
▼ Facebook への友達リクエストはお気軽に (^_-)-☆
──> https://www.facebook.com/yoshimi.norikazu
・コメント欄に「ブログ読者」と記入してください。
・無記入だとスパムと区別がつかないのでリクエストを無視することがあります。
▼ 日本営業ツール研究所は狩猟型のツールを研究するところではありません。
研究するのはお客さんの未来です。
あなたの商品はお客さんにとって「どんな価値があるのか」を見つけましょう。
お客さんに価値のある未来を提供するために……。

吉見 範一(よしみ のりかず)

最新記事 by 吉見 範一(よしみ のりかず) (全て見る)
- 半世紀前のアルバイト先で出会った人生の師匠たち ~ 苦しかったあの頃、隣にいた不器用な優しさ - 2025年5月10日
- 「欲しい」の裏側を覗くマーケティングの入り口 ~ サングラスからダイエットまで応用自在の思考法 - 2025年5月8日
- この差が半年もすると大きな違いになる - 2025年5月6日