出力は控えめだけど、芯が通っててコントロールしやすい「ジャズベース」。

対して、図太くて温かい音がド直球に飛んでくる、シンプル極まりない「プレシジョンベース」。

「どっちがいい?」

そう聞かれたとき、選択肢が2つだけなら、まだ好みで選べます。

じゃあ、これが100種類だったら?

35年ぶりにベースを新調しようと楽器店に乗り込んだ私は、完全にフリーズしました。

私の脳内データは35年前で止まったまま。

最新スペックどころか、多種多様に枝分かれした今のベース界隈なんて、正直とんと見当もつかない。

店員さんに要望を伝えたい。

でも、その「伝え方」がわからない。

だって経験してないんだから、違いの言語化なんてできるわけがないんです。

さて、どうするか。

 

 

ここで、店員の……いや「プロ」の腕の見せ所がくるわけです。

販売員でも営業担当者でも同じです。

必要なのは、売りつけるノウハウじゃない。

こちらの「ぼんやりした感覚」を、理解できる言葉に変換してくれる「翻訳能力」なんだなと痛感しました。

こっちがどこまで分かっていて、どこでつまずいているのか。

会話の端々からそれを読み取ってくれる、超一流の通訳。

…… なんて、もっともらしい分析をして自分を納得させてみましたが。

結局、目の前の美しい木目と最新のベースアンプの低音の振動にやられて、知性はどこかに置き去りになったままです。

ああ、35年経っても、結局最後は「理屈」じゃなくて「一目惚れ」に負けたい自分がいる。

ええ、私の理性なんてそんなもんです(――;

 

 

 

ー 撮影場所と機材 ー

横浜
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吉見 範一(よしみ のりかず)

吉見 範一(よしみ のりかず)

「ちいさな会社の販売戦略」を設計する専門家/ 経営者を対象とした少人数制の個別コンサルティング = Y’s CLUB = 主宰