写真と商談って、似ているところがありますね。
最初は自分の写真をどうやって見せようかと考えていました。
とにかくカッコいい写真を撮りたかった。
これが一番低いレベルです。
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少しうまくなると光を読むようになります。
構図も考えるようになる。
ぼかし方や、ピントの合う範囲や、明るさの階調を調整したり、光の色を意識したり、黒く潰れる範囲や白く飛ぶ範囲を予想して撮れるようになります。
テクニックを覚えるたびに上達した気分になれるし、駆使したくなるんですよね。
ここで調子にのると技術に溺れます。
撮影機材と技術にハマる人はテクニックに走る人が多いですね。
そういう人はテクニックが凄いのはわかるけど、何も伝わってこない写真ばかり撮ってます。
私は撮影テクニックもないし、専用の機材も持ってないから、その心配は無用ですけど、それはそれでちょっと悲しい (>_<)
これが第二段階です。
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さらにこの上になると撮影する前に「この写真を見た人は、どんなふうに感じるだろう」と想像しながらカメラを構えて、あなたの目にこの写真がどんなふうに見えるのかを想像しながら撮れるようになります。
撮った写真を見た人が何を感じるかを考えながら撮影する。
見る人の頭の中を想像しながら撮影できる。
見た人がどのように感じるかが予測できる。
私はテクニックの向上ではなくて、ここに行きたいんですよね。
このレベルに憧れています。
ねっ! 商談と同じでしょ。
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最初はクールでカッコいい商談を決めたかった。
ツールの順番通りに説明できると「よっしゃ! うまくいった」と喜んでました。
でもそれって自己満足の世界です。
このレベルが一番低い。
いくら頑張って説明しても自分のことしか考えていないから、ちっとも伝わりません。
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ここからもう一歩先に進むと、相手のことがわかるようになります。
相手の立場とか都合とかに気がつくようになる。
ここまでくると急にうまくなります。
うまくなるけど「よくなる」のとはビミョーに違うので要注意!
相手の反応を見ながら、間のとりかたや、強弱や、テンポや、キーの高さまで使いこなせるようになります。
また話材の選び方も変わってくる。
いわゆる誘導話法の使い方が見えてくるんです。
商談の呼吸がわかってくると相手をコントロールしたくなります。
会話のテクニックで気持ちよくさせたり、気分的に舞い上がらせたり、欲しがらせたり……。
相手にもよりますが、ある程度ならその気にさせて売り込むことができるようになります。
ただし、これは一昔前の営業スタイルなので刈り取って終わり。
リピートや紹介はまず来ないと思ってください。
あっという間に市場での評判が悪化して自然消滅の道を進むことになります。
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この上のステップになると、相手の頭の中を想像しながらストーリーを展開していくようになります。
単にテクニックを追い求めるのとは、レベルが違う。
人の気持を配慮しながら話せるようになるし、人の気持に沿って対話ができるようになる。
このクラスの人にコツを聞くと「質問を上手に使いなさい」とか「相手に聞けばいいんだよ」とかシンプルなことを教えてくれます。
それって、人付き合いのコツを抽出した核心部分なんですよね。
相手にとって何が一番ふさわしいのかを対話をしながら絞り込んでいく。
相手のために一番いい提案を探していく。
だから聞くことが大切になってくるんです。
相手がどんな未来を見ているのか想像しながら対話を進めていく。
この提案は相手がどんなふうに感じるかを想像しながら組み立てていきます。
写真とよく似ていますね。
ところで、あなたの商談はどのレベル?
ー 撮影場所と機材 ー
横浜
OLYMPUS PEN Lite E-PL5
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
市場の創造は本当におもしろい仕事です。
一緒に挑戦しましょう!

吉見 範一(よしみ のりかず)

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