あれは1960年代。
日本中が勢いよく走り始めていた時代でした。
当時はベースをやってたからね。
面白いものを
ずいぶん見せてもらいました。
あの時代に大流行していたのが
グランドキャバレーです。
店内は広大なフロア。
印象ではテニスコートが
二面とか三面とか。
いや、
もっと広かった気もする。
かなり曖昧な記憶だけどね。
バンドが生演奏をするステージがあって、
いろんなショーもやっていた。
きらびやかなドレス姿のホステスさんが大勢いて、
一段高いステージから見ていると、
店内に花が咲いているようでした。
100人以上のお客さんを収容できる大型店が、
全国の繁華街にあったんですよね。
ベーシストの数が足りなくて、
誰かが休みたいときは、
代役のベースとして
よく引っ張り出されました。
どの店だったかなぁ。
横浜の関内だった気がするけど。
聞き入ってしまうくらい
いい音を聴かせてくれる
テナーサックス奏者がいてね。
腕もいいけど、
上品で物静かな人だったなぁ。
「うまくなりたい」なんて
話をしていたら、
テナーサックスをストラップから外して、
専用スタンドに立てかけながら、
「楽器はね、
そんなに背伸びをしてもダメなんです。
今より、
少しだけ上を目指すことです。
これを続けるとうまくなりますよ」
あの日の狭い楽屋での会話を、
今でもはっきり覚えています。
振り返ってみれば、
営業も、セミナー講師も、
コンサルティングも。
写真も、ベースも。
全部、
共通しているんです。
少しだけ上を目指す。
私がやってきたことは、
そのまんまでした …… 。
名前を聞いておけばよかったなぁ。
あの時、
あの人と出会ったおかげなんだよなぁ。
そんなことを、
今頃になって、あらためて思いました。
ー 撮影場所と機材 ー
横浜/みなとみらい
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.
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吉見 範一(よしみ のりかず)
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