2014.09.11_13
青森 ウォーターフロントエリア
Nikon COOLPIX P310

 

マーケティングは長期間の船旅にでるようなもの。短距離レースとは違います。

セミナー講師をやっていると日本全国飛び回っているおかげで、様々な業界の経営者から直接お話しを伺うことが多いのですが、ちょっと気になることがありました。

マーケティングがもっとも必要だと思われる産業界の間でもかなり誤解されているみたいで「マーケティングは販促活動だ」という考え方が浸透していることです。

改良に改良を重ねていい商品ができた。こんなに優れているのに売れない商品がたくさんある。営業はマーケティングを勉強してどんどん売ってこい。

このようにマーケティングとは

・製品を市場に送り出すための活動だと思っている
・新しい販促の方法だと思っている
・販売(セリング)と混同している

これが代表的な誤解です。

マーケティングは販売を促進するものでも、売り込みを強化するものでもありません。

むしろ販売とは正反対に近いんです。

マーケティングは販売よりもはるかに幅が広い。そして目に見えないところで取り組みます。

アンケートやインタビューなどを含む入念な市場調査、製品に関する研究開発、適切な価格設定をする努力、流通経路の確保、商品の価値を知らせる努力など、多岐にわたる取り組みです。

営業スタイルでもありません。高度経済成長期のときは、いわゆる押し込みという営業のスタイルがありました。巧妙な手口で製品を押し付ける方法です。このような相手にガンガン売りつける手段を考えるのがマーケティングだという解釈は間違っています。

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マーケティングはお客様の生活を変える取り組みです。よりよい暮らしができるように新たなスタイルを提案したり、お客様自身が体験したことがなかった快適さなど、お客様にとっての真の価値をもたらすものです。

販売(セリング)は製品が完成してからスタートします。一方、マーケティングは新しい生活を創造するために、製品が生まれる前から着手します。

どんな生活を体験してもらおうか。人々は現状の何を変えたらもっといい生活ができるだろうか。人々がどんな生活を要求しているのだろうか。

そのためには自社がどのような製品を作るべきかを考えるところからスタートするのがマーケティングです。

「改良した製品があるから売ってこい」という販売ではない。

新しい製品を生み出すためのプロセスを通して、どうやって発売しようか、価格をどうするか、どんな流通経路を使うか、それらを試行錯誤しながら進めるなかでプロモーションの方法を決めていきます。

調査して、企画して、製造して、販売戦略を実施したあとも市場の反応を追いかけ、製品やサービスやフォーローの仕組みを改良していきます。さらに市場からの引き上げ時期を見極めるのもマーケティングの役割です。

セリングとマーケティングは「短期」と「長期」という全く逆の発想になります。

目先の販売を目的とした短期に結果を求めるものではありません。マーケティングは長期的な投資だと考えてください。

製品が完成する前、つまり市場に参入する以前からスタートして、販売したあともずーっと長期間にわたって続いていく。

マーケティングはお客様の行動や嗜好や傾向を把握するためにアンケートやインタビューなど綿密に設計した調査が必要で、そのためには地道な努力を要求します。

専門の部署を立ち上げて取り組むことをオススメします。プロの手を借りるのも選択肢のひとつです。いずれにせよ全社一丸となって取り組み、いかに継続するかで決まります。

 

 

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市場の創造は本当におもしろい仕事です。
一緒に挑戦しましょう!

 

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吉見 範一(よしみ のりかず)

吉見 範一(よしみ のりかず)

「ちいさな会社の販売戦略」を設計する専門家/ 経営者を対象とした少人数制の個別コンサルティング = Y’s CLUB = 主宰
吉見 範一(よしみ のりかず)

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