2014.09.10_03
青森
Nikon COOLPIX P310

 

北国は冬が長い。

短い夏が終わるとあっという間に秋が通り過ぎていきます。この豊かな森はもうすぐ本格的な雪との戦いの場になる。

セミナーに参加されたR店は雪の多い東北地方のプロパンガスの販売店でした。

ライバルはどの店も同じプロパンを扱っていて、入れ物が多少違っても中身は同じ。だからどうしても価格競争になりやすかった。

ところがR店は他店よりも値段が高いのに、エリアで一番の人気店になっていました。

なぜこの店は値段が高くても人気があるのか?

何をやったのだろう?

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R店が全面に打ち出したのは「安心」です。

お客様アンケートを見ると「助けられた」という声がいくつも並んでいました。

北国の冬は長い。そして厳しい。燃料切れは生命にかかわる。だから冬の燃料は絶対に切らさないこと。ところがうっかりミスが多いのがプロパンガス。残量が少ないことに気づかずについ交換の時期を忘れてしまうことも多いそうです。

そこでR店では自社のすべてのお客様に燃料切れをさせないことを目標にしました。お客様の使用状況をこまめに調査することからスタート。交換の時期をお客様に事前に連絡するためです。

それでも、もし燃料切れが起きてしまったら24時間いつでも対応することを決断。雪が降っていても、夜中の故障でも、お客様から助けを求められたらすぐに駆けつけられるようにするにはどうすればいいのかを真剣に検討しました。その結果、顧客エリアを広げないという戦略を選択しています。

自社の商圏を営業所の近くのみに限定。

・エリアが狭い
・顧客数は思ったよりも少ない
・これ以上ライバルに顧客を奪われるとやっていけなくなる

だが、ここが強さの秘密だった。

商圏を広くすると降り積もった雪の中を移動するリスクは高くなる。配達が出来ないという事態は避けたい。なんとしてでも配達したい。厳しい自然環境の中だからこそ狭いエリアにする必要があったんです。

近所ならすぐに駆けつけることもできるし、土地勘もあるし、もし途中で何か不測の事態があったとしても仲間が救援に駆けつけてお互いにフォローすることも可能です。そうやって全員で雪に強い体制を目指しました。

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プロパンガスで差別化をすることは難しい。現実問題として商品力に優位性を求めるのは不可能だと思う。

ではどうやって差別化すればいいのか。

その答えがフォロー体制を強化することだった。狭いエリアにすればこまめに訪問できる。お客様の利用状況も把握しやすい。R店はこうやって顧客情報を活用して安心を前面に押し出すことで市場をしっかりとつかんでいます。

この戦略の最大のポイントは顧客の利用状況を常に把握しておくことです。プロパンガスの定期点検を頻繁に行うことで接触回数が増え、そこから様々な商材の販売につながっていました。

製品の差別化が難しいときは製品以外で競争優位なポジションを狙う。中小企業ほど顧客データの活用が大きなツールになるケースが多いんです。この視点で自社の営業方針を再検討してみてください。あなたの新規開拓のヒントになると嬉しいです。

 


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市場の創造は本当におもしろい仕事です。
一緒に挑戦しましょう!

 


2013.12.27_pin
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吉見 範一(よしみ のりかず)

吉見 範一(よしみ のりかず)

「ちいさな会社の販売戦略」を設計する専門家/ 経営者を対象とした少人数制の個別コンサルティング = Y’s CLUB = 主宰
吉見 範一(よしみ のりかず)

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