M電機のA社長はまた一発当てたいと思っていました。
新製品だと言って見せてくれたのは、従来のものと比較すると色と形が少しだけ違っていた。
「わかりますか? いい材料を使っているんですよ」
値段は他社製品よりかなり高い。
「モノが違う。使えばよさがわかるはずだ」
社長は売る気満々だった。
これでまた稼げると信じていた。
でも実際に試してみたけど私には違いがよくわからなかった。
–
明確な特徴を持たない製品はいくら広告費を投入してもムダになります。
大量にチラシを用意してDMやポスティングや雑誌で宣伝しても売れなかった。
それどころかより多くの人が、より短期間に新製品を手に取って、ちょっと試して「値段の割には期待はずれ」とか「他社製品で十分」とか「わざわざ買いかえる意味がない」とか、クチコミで一気に拡散された。
あとになって「あのとき吉見さんの意見を聞いておけばよかった」と言われても……。
でも、今も私の意見は聞かないと思う。
だって頑固なんだもの。
–
私も同じかもしれない。
強く意識していないと、つい過去の成功体験に縛られて自分の考えに一致する情報ばかり集めようとするし、賛同してくれる意見しか聞こえなくなる。
A社長のように行動力があって一歩先を求めている人は、商品の価値は自分が決めると思いやすい。
でも現実は……。
商品の価値はお客様が決めるものなんですよね。
ー 撮影場所と機材 ー
富山
Canon PowerShot G7X
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吉見 範一(よしみ のりかず)
「ちいさな会社の販売戦略」を設計する専門家/
経営者を対象とした少人数制の個別コンサルティング = Y’s CLUB = 主宰

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