「大きな倉庫ですね。こんなに大量の在庫が必要なんですね」

「いやあ~。在庫というより売れずに残っているだけでしてね。不良在庫は増えています。それでも新製品を開発していかないと時代に乗り遅れてしまうから……。」

A氏は眉間にしわを寄せたまま無理に笑おうとして複雑な表情を作っていた。

 

古いモノは売れない。

では、新製品なら売れるのか?

新しくて優れたモノは売れるのか?

売れるかどうかは、モノだけ見ていても判断できません。

そこで見落としがちなチェックポイントのひとつ「価値連鎖」を見ていきます。

 

モノを売る。

この段階にくるまでに、材料を提供してくれる人がいて、加工する人がいて、組み立てる人がいて、さらに運ぶ人、宣伝する人、資料を作る人、売る人、届ける人、メンテナンスをする人……。

色んな人が次々と連鎖してお客様の生活を変えていきます。

モノを作るだけでは売れません。

新しい価値の連鎖を開発しないと売れない。

これまでの業務の流れの上に、ただ新しいラベルを貼った新製品を載せて次に渡しても、今までと変わりません。

価値の連鎖を見直さないと、何も変わらないんです。

全員で何を達成したいのか。

そのために、何をやるか、ギュッと絞り込む。

 

例えば、仕入れ先を自社に統合したり、配送を自社でおこなったりと一連の活動をつなぎ合わせる方法もあるし、これまで自社がおこなっていた業務を外部に委託して新しい取引を開始する方法もあります。

新製品に切り替えるためには、社内でまかなう部署を増設するか、社外に託すのかなど業務の見直しも必要になってきます。

単に消費者のニーズやウォンツをみたす製品(またはサービス)を開発して、ガンガン作ればいいというものではありません。

いかに優れた製品を開発しても、従来の売れない連鎖をそのまま温存して、新製品を乗せて「こんなのもあります」では、新しい市場は開拓できない。

従来の連鎖をバッサリ切り捨てて、ギュッと絞って、新しい連鎖を開発する必要があります。

新しい価値連鎖を開発しないと、新しい価値を理解してくれる市場に製品を届けることができないんです。

新製品を安易に増やせば焦点がボケるだけ。

材料の開発から、お客様の手元に製品が到達したあとのフォロー体制まで、すべての関係者にギュッと絞り込んだ新しい世界観を伝えていますか?

 

 

 

 

ー 撮影場所と機材 ー

青森
Canon PowerShot G7X

 

◆ この記事を書いた人

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吉見 範一 (よしみ のりかず)
代表:= Y’s CLUB =

理論や理屈も大切ですが、営業力に頼らずに売れる自社の仕組みを構築しようとすると、具体的にどこから手をつければいいのかわからないケースが多いのです。そんな時は他社の具体的な事例がとても参考になります。

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「ちいさな会社の販売戦略」を設計する専門家/ 経営者を対象とした少人数制の個別コンサルティング = Y’s CLUB = 主宰
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