「このデータを見てください。当店では今月はこれが一番売れています」
提示された資料にはグラフを使ってこれまでの推移がわかりやすく表示されていた。
ここでわかるのは「売れた」という事実です。
もちろんこの事実をもとにセールストークやプロモーションを考えることも重要ですが、その数字って過去のことですよね。
ひょっとしたら隣の売り場が変わったから売れたのかもしれないし、販売店がPOPやコピーを変えたことで売れたのかもしれないし、説明の上手な店員さんが売り場の担当になったのかもしれません。
数字はわかりやすいけど、データからわかるのは売れた結果です。
量と金額です。
売り場の変化ではありません。
といっても数字を否定しちゃダメですよ!
ここで注意して欲しいのは、数字で「読めること」と「読めないこと」があるという点です。
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先日もデータを見ているときに気になったのですが、お客様の中でなぜAさんとBさんだけがこんなに大量のペットボトルを買っていくのかわからなかったんです。
ブランドは何か、商品名は何か、一緒に購入している購買傾向は何か……。
分析を試みたものの、さっぱりわからなかった。
そこで売り場に行ってパートのおばさんに聞いてみました。
理由は単純でした。
「AさんもBさんも地元の少年野球のお手伝いをしているんです」
そうだったのか。
店員さんは電話一本で必要な数を確保してあげるし、頼まれれば球場まで配達していました。
一番正確な情報はパートのおばさんの頭の中にあった。
そうやって次の一手を間違えてしまう。
数字だけでは次の手が出てこないんですよね。
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「売れた」という結果からわかることは何か?
お客様の情報ではありません。
過去の事実です。
昨日は売れた。
今日も売れた。
この事実は明日の「売れ筋」と一致するとは限らない。
販売戦略を考えるときは「次を知る」ことがポイントです。
といっても予知能力を身につけるのは難しいので、他の方法を使って予測精度を上げていきます。
そこで最初に調べて欲しいのが購入後の顧客の行動です。
買ったあとどうなったのかを確認してくださいね。
特に Before – After が大切です。
購入する前はどんな不安を抱えていたのか、何に困っていたのか、どうしてこの商品を選ぼうと思ったのか。
そして決め手はなんだったのか。
買ったあと解決したのか……。
買う理由がわかると、マーケティングの設計図が見えてきます。
ー 撮影場所と機材 ー
渋谷
Canon PowerShot G7X
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吉見 範一(よしみ のりかず)

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