プロとアマチュアの演奏の違いについて聞かれたけど、そんなのアマチュアの私が答えられるはずもない。
ところがだ。
それでも図々しく答えちゃう。
そのほうが多少難アリでも面白いと思うから。
だから突っ込みはナシです。
–
音を外さないとか、テクニックがすごいとか、プロに要求されているのはそんなことじゃないんです。
プロにとって演奏は結果を出すために必要な道具にすぎません。
演奏は手段です。
目的じゃない。
手段のひとつとして華麗なテクニックを披露してもいいけど、プロはそのテクニックでなにをしたいのかが問われる。
演奏に限らず、プロの仕事とはクライアントが納得するかどうか、これだけです。
どんなにハイレベルな演奏の技術があっても食えていない人は、そこがまったくなっていない。
うまく演奏することが目的になっちゃてる。
いい音を出せればいいで終わってる。
たとえどんなにうまくても、どんなにいい音でも、そんな演奏はすぐに慣れちゃうし、途中で飽きます。
「うまいのはわかった。で、なにをやりたいんだ?」ってなるんだよね。
超絶技巧なんてできなくてもたいした問題じゃない。
できたところで「ふーん。すごいね」で終わっちゃうから。
それじゃダメなんだ。
テクニックがあったって食えなければやめるしかない。
そんなことより聞いている人の感情をどうやって揺さぶるか、どんなふうに狙った方向に動かすことができるのか。
演奏で臨機応変にコントロールできる人がプロなんです。
それができない人はうまくても食えない。
一回目はいいけど、二回目、三回目となると飽きられて長く続けられない。
セミナー講師と同じです。
話術とか講師のテクニックとか、そんなことはどうでもいい。
それより受講された人がどれだけ前向きになれるかです。
どうやったら受講された人が行動を変えてくれるのか。
何かに気が付いて、思考回路が増えて、視点を変えて、行動を変えて……。
その結果、問題を解決してもらうことが目的です。
セミナーを提供して返ってくるのはなにか。
ここでも差がでてくる。
「すごいね」じゃない。
「うまいね」でもない。
プロが期待しているのは「あの時、あのセミナーを受講して本当によかった。ありがとう」なんです。
–
演奏に話を戻します。
テクニカルな演奏をして「うまいね」「すごいね」なんて評価を期待しているうちはアマチュア。
演奏で人の内面に火をつけて聴衆の気持ちを動かせるのがプロ。
てか、こんな難しい質問をアマチュアの私に聞くな!
超一流のプロのミュージシャンの意見を聞いてください。
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吉見 範一(よしみ のりかず)
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