横浜
OLYMPUS PEN Lite E-PL5
LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH.
橋の手すりの球体を見て思い出した。
雑貨店に家庭用の配線器具を卸していたころ。
家庭内で使うパーツが中心なので1,000円以下の商品が多かった。利益率は高いけど単価が低いから売り上げが中々伸びないんです。そこで一軒あたりの単価をあげようとあれこれ挑戦していました。
目をつけたのが電気スタンドです。ちいさな三輪車のフォルムに直径20センチほどの乳白色のガラスボールをのせたインテリア性の高いスタンドを取り寄せて売り込んでみた。
乳白色の球体はカタログより実物の方がカッコいい!
サンプルを持ち込んで何人かの人に見てもらった段階ですでに手応えあり。これはいける! 買い手にとって魅力的な商品だと確信しました。
結果は? 売れました! 予想を超えて売れた (^_-)-☆
ところが……。
半年もしないうちにピタッと止まった。
全く売れなくなってしまったんです。原因はハッキリしていました。
中国製です。価格は自社の1/2 ~ 1/3と激安。そっくり同じものではありませんが、よく似た商品を何種類もぶつけてきました。勝ち目はなかった。
天井まで積み上げた在庫の山を見ると頭が痛くなってくる。価格で勝てなければ、他で勝てるものが欲しい。何かいい売り方がないものかと探していました。
そんな時、たまたま飲食店や洋品店などのディスプレーとして利用されていることを知りました。そこで店舗の売り場の演出に使いやすいスタンドとして押してみたんです。
知り合いのお店にお願いしてディスプレーとして使ってもらって写真を撮りまくりました。導入事例の写真の数と提案力で勝負。
飛ぶように売れたということはありませんでした。でもジワジワと売り上げが伸びてきて、在庫がすべて完売したときはホッとしました。
買い手にとって魅力的な商品は売れます。ですが、競合他社に対する優位性がないと市場から消えます。
マーケティングを考えるとき「買い手に対する視点」と「競合に対する視点」のふたつ同時に検討することが大切です。独自の提案がないと価格競争に巻き込まれやすい。
今回のケースは目に見える商品だったので、写真を使った導入事例の紹介が効果を発揮してくれましたが、今はもっと複雑な商品が多い。より詳しい事例の紹介が必要なケースが増えてきましたね。
「買い手」と「競合」のふたつの視点で市場をとらえることが今後ますます重要になってきます。
お客様が自社を選ぶ理由を「伝える手段」を常に視野にいれておきましょう。
市場の創造は本当におもしろい仕事です。
一緒に挑戦しましょう!
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吉見 範一(よしみ のりかず)

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