2015.06.10_17

 

K社の話を聞いているうちに、このままでは営業が育つことはないだろうと思った。

採用しても三ヶ月で辞めてしまうのは、辞めたくなる理由があるから。

・先輩が手一杯で新人に教える時間がない
・新人は仕事を覚えられない

少人数で経営しているときはまだいいんです。

目標も目的も誰もが理解しているだろうし、役割分担や仕事の流れや、全体が見えるから最適化しやすい。

マネジメントはそんなに考えなくてもやっていけます。

ところが人数が増えてくるとちょっとずつ様子が変わってきます。

特に営業の場合は育てる仕組みがないと機能不全に陥りやすい。

・マネジメントができていない
・受け入れ体制がない

問題はここです。

仕組みができていないと、いくら先輩が営業テクニックを教えても売れるようにはなりません。

小手先のテクニックでなんとかなるほど市場はそんなに甘くない。

新人は会社のことがよくわかっていなまま営業に行かされるから、必死で覚えた商品説明を中心にした商談しかできない。

そこに小手先のテクニックなんて使ったらかえって不自然です。

頑張ってもなんとかなるはずもなく、もっとも売れない対面営業の典型的なパターンを繰り返すだけになる。

いくらやっても売れない。売れる気がしない。修行にもならない。

あれよあれよという間にモチベーションが消えます。

いくら新人でも、三ヶ月もいれば会社の将来が見えるから、優秀な人ほど真剣に転職を考えるようになる。

かつて、横浜のある繊維商品のメーカーに営業で採用されたときのことです。

「初日はスーツを着てくるな。作業服で出社するように」と指示されました。

営業部に入ると全員ビシッとしたスーツ姿です。

そこに作業服姿の私がひとり。

部長に紹介されて「よろしくお願いいたします」と簡単な挨拶をすませると、そのまま倉庫へ直行。

なんと、それから半年間、ずーっと倉庫の仕事でした。

営業じゃなかったのか?

「そのうちやってもらうから……。」と言われて毎日倉庫で荷物運びばかりやらされました。

おかげで、

・何が売れるのか
・何が売れないのか
・不良在庫は何か
・どの工場の遅延が多いのか

それ以外にも発注先、ロット、納期、発注のタイミングなど商品の動きと、社内の仕組みが見えてきた。

半年後、営業に配置されたときは、何を売ればいいのかわかっていました。

新人は半年 ~ 1年間は倉庫で仕事をするという 仕組み が私を育ててくれたんです。

あなたの会社は 営業を育てる仕組み が構築されていますか?

 

 

 

ー 撮影場所と機材 ー

長崎県/佐世保
Nikon COOLPIX P310

 


yoshimi‐07-1200px

市場の創造は本当におもしろい仕事です。
一緒に挑戦しましょう!

 


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吉見 範一(よしみ のりかず)

吉見 範一(よしみ のりかず)

「ちいさな会社の販売戦略」を設計する専門家/ 経営者を対象とした少人数制の個別コンサルティング = Y’s CLUB = 主宰
吉見 範一(よしみ のりかず)

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