セミナーの仕事で京都に行った。
初日の研修を終えて、翌日また別の会場に向かう途中、水戸岡鋭治氏設計・デザインによる観光型リニューアル列車「赤松」に乗ることができました。
リニューアル列車の旅を体験しながら「この企画は定番としてこれからも継続するのかなぁ」と、なんとなく考えていました。
この列車は平成25年4月から運行しています。
開始した当初はマスコミにも取り上げられて、観光のひとつとして注目されました。
鉄道ファンだけではなく、一度は乗ってみたいと思わせる魅力がある。
今もシーズンになると予約が取れないほど人気があります。
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チラシや、折り込みや、雑誌で宣伝して、マスコミが取り上げやすいようなイベントを企画してPRも行った。
期待どおりに注目されて、利用者が一気に押し寄せた。
でも不安がないわけではありません。
この人気がずーっと続くのか?
長期にわたりリピート客が訪れて何度も利用してくれるのか?
そしてこの列車は定番商品になれるのか?
観光に欠かせない中心的な役割を担っていけば誰からも大事にされます。
でもこれって観光型リニューアル鉄道に限ったことではありませんよね。
普通の商品でもまったく同じです。
定番商品をがっちり確保している企業は強い。
そして安定しています。
でも、定番商品にも弱点があります。
代表的な弱点はライバルの出現による売上の減少です。
「これはいい。売れるぞ!」と評判になると、他社が次々と参入してきます。
しかも、ちょっと改良して価格を押さえた目玉商品にされたりする。
そうなるとあっという間に儲からない商品になってしまいます。
定番として定着させるには今のままではダメなんです。
売れているからと油断していたらダメ。
じっとしていてはダメ。
何もしないと、他社が参入した時点で捨てられます。
定番は改良し続けること!
注目されたら何度も改良して、常にフレッシュな定番であることがポイントです。
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かつて私が家庭用の配線器具を扱っていたときは、18年間ずーっと改良を続けていました。
原材料を良くする。パッケージを見やすくする。パッケージのトーンを明るくする。サイズを増やす。POPを変える……。
店員さんが売りやすく、お客様が選びやすいように、しつこいくらい何度も工夫を重ねていました。
これが定番であり続ける秘訣です。
ロングセラーって、これまでの顧客を減らさないってことですよね。
そしてその上に、新規のお客様をひきつける工夫をしていきます。
宣伝して、PRして、注目されて、売れ始めたら、定番を狙え!
って、どうやって?
儲けさせてもらったものは、儲けさせてくれたお客様に向けて、よりよい商品やサービスに改良して、返していくことです。
改良の手を抜いて、儲けるだけ儲けてため込むと沈んでいきます。
あなたが改良の手を抜くことがあっても、ライバルは手を抜いたりしませんよ!
お客様によりよい生活を送ってもらうように改良を続けていきましょう。
ー 撮影場所と機材 ー
京都/京都丹後鉄道/天橋立
Canon PowerShot G7X
市場の創造は本当におもしろい仕事です。
一緒に挑戦しましょう!

吉見 範一(よしみ のりかず)

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