あのころの主力商品は家庭用の配線パーツですが、実は小型の特殊電球も幅広く扱っています。
こちらは覚えることが多く、苦労しました。
使用環境と規格をきちんと理解していないと、後々問題が発生した際に大変なことになるからです。
以前、特殊電球について問い合わせを受けた際のことです。
分かりやすく説明すれば理解してもらえると安易に考えていました。
しかし、それは大きな間違いでした。
使用上の注意や目的別の規格、図による説明を怠り、普段使い慣れた専門用語で説明してしまったのです。
相手は頷いていましたが、理解してくれたと思い込んでいました。
「検討させていただきます」と言われたものの、それまでのやり取りから、今回は受注できるだろうと楽観的に商談を終えました。
ところが……。
後日、顧客が競合他社から商品を取り寄せていたと知り、ショックを受けました。
もちろん、そういうこともあります。
価格で負けたのかと思いましたが、実際は私の提案価格の方が安かったのです。
なぜ失注したのでしょうか?
人間性の問題かと考えると自信がなくなります。
「やはり営業には向いていないのかもしれない」と落ち込みました。
それから一年ほど経った頃、理由が判明しました。
たまたま先輩との会話の中で「これだ!」と腑に落ちたのです。
それは「結合」という概念でした。
人は、自分の知っている情報と結びつけて物事を理解します。
つまり、話を聞くということは、自分の知識と新たな情報を結びつける作業なのです。
あの時、手を抜いたつもりは全くありませんでしたし、詳しく説明したつもりでいました。
しかし、相手の知識レベルを確認することを怠ってしまったのです。
それ以来、商談の合間に「この部分、少し専門的で分かりにくいかもしれませんね」などと声をかけ、相手の理解度を確認するようにしました。
それからでしょうか、徐々に商品が売れるようになったのは。
あなたは相手の知識を確認していますか?
ー 撮影場所と機材 ー
青森
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.
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研究するのはお客さんの未来です。
あなたの商品はお客さんにとって「どんな価値があるのか」を見つけましょう。
お客さんに価値のある未来を提供するために……。

吉見 範一(よしみ のりかず)

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