2014.09.11_08
青森ウォーターフロントエリア
Nikon COOLPIX P310

 

若いころ営業トークのテクニックに没頭した時期があります。

かなり古い話なので当時のテクニックが今でも通用するのかと言われるとかなり疑問ですけどね。

あの時代はテクニックが稚拙だと営業所内の上位ランキングに名前を並べることができなかった。短時間で相手の興味を引き出して、一気に購入を決断してもらわないと話にならないんですよね。

初対面の人にどうやって売るのか、クロージングのイメージもわかなかったし、トークの組み立て方もわからなかった。そこで先輩の後ろに張り付いて必死に勉強させてもらいました。ところがトップクラスの人って、拍子抜けするくらい自然体なので、すぐ近くで見ていても何をやっているのかよくわからないんです。

だから訪問が終わるたびにしつこく質問しまくっていました。

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最初は何か特別なテクニックとか圧倒的なテクニックを使うものだと思い込んでいたから、ひとつも見えなかったのですが、実際の商談で使うテクニックは意外なほどシンプルなんですよね。

いろんなテクニックを教わりました。やはりシンプルなものほど自分のモノにしやすかった。最初はぎこちなくても慣れてくると使いこなせるようになる。そうやってテクニックの奥深さにハマっていったんです。

ですが、今はテクニックを駆使して、商品のメリットをあまり誇張しすぎると危険です。

使いこなせると自社の製品のイメージを実際よりもはるかにいいもののように思わせることもできるようになります。だから最終段階で迷っているお客様には、ついテクニックで強引にプッシュしちゃうんですよね。その方がラクに注文がとれるから……。

でも、そこに大きな落とし穴がありました。

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実際に製品を使ったお客様が失望して、まわりの人に失望感を伝えはじめたんです。それも何人も。

テクニックを使って短期的には売上を伸ばすことができました。ですが同時に私は市場(信頼)を失っていきました。錆びてボロボロになった信頼感はどんなに磨いても元の輝きを取り戻すのは難しい。

テクニックで売るという発想は捨ててください。

とはいえ営業にテクニックは必要です。ですが、警戒心を解くため、または興味を持ってもらうときに限定すること。私はあの苦い経験をしてから過度な期待を抱かせるようなテクニックの使い方は封印しています。

SNS が普及して誰でもカンタンに情報発信ができる時代です。もしマーケティングで信頼関係がぐらついたら、一瞬で取り返しのつかないことになります。

営業のテクニックで売りたい気持ちもわかるけど焦らないこと。特にマーケティングは売り込もうとか、短期的に数字を出そうとするよりも、顧客を生み出すこと、顧客との間に信頼関係を築くことを優先してくださいね。

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※ 日本のインターネット人口は、平成25年度版の情報通信白書(総務省)によると9,652万人(人口普及率は79.5%)に達し、国民10人のうち、実に8人がインターネットを利用している。
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/html/nc243120.html

※ 日本のSNS利用者数は、市場調査会社(ICT総研)の発表によると、2014年度の利用動向調査結果から、年末には利用者が6023万人に達するとの見通しを予測している。
http://www.ictr.co.jp/report/20140821000067.html

 

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市場の創造は本当におもしろい仕事です。
一緒に挑戦しましょう!

 

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吉見 範一(よしみ のりかず)

吉見 範一(よしみ のりかず)

「ちいさな会社の販売戦略」を設計する専門家/ 経営者を対象とした少人数制の個別コンサルティング = Y’s CLUB = 主宰
吉見 範一(よしみ のりかず)

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