大きな企業といっても、だれもが知っているある有名な量販店です。
あのころ私が勤務していた小さな会社にとって、そこはとても大きな取引先でした。
一度に数百万円を超える取引になることも珍しくありません。
「ウチにしては大きな仕事をしているな」という満足感があったことを覚えています。
そうなると一件あたり数千円とか数万円の取引をチマチマやっているのがむなしくなってくる。
ただ当社みたいな零細企業を相手にしてくれる大手はそんなに数がありません。
金額は大きいけどマーケットが小さいんです。
次々と取引先を変えることも増やすこともできない。
あのときほどマーケットの大きさを痛感したことはありません。
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取引を開始するときも大変でした。
何度も足を運んで、やっとの思いで契約することができた。
開始後も時間がかかりました。
売り場に何度も通ってようやく売り上げが安定したころ、なんとその大手量販店で不祥事が発覚。
マスコミが騒ぎ、トップが変わり、経営方針が大きく変わり、全店の売り場が一斉に変更されて、あっという間に自社の売り上げがガクンと下がったんです。
この量販店のために仕入れておいた大量の在庫は一瞬で不良在庫の山になってしまった。
大手の経営方針の変更は影響力が大きすぎました。
取引の金額は大きいけどマーケットが小さい!
恐ろしくなって撤退しました。
在庫の処理に3年もかかった。
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その点小さな企業のほうがマーケットは圧倒的に大きくなります。
一社あたりの売り上げはそんなに大きくはありませんが件数が多い。
一社や二社顧客を失ってもそれほど大きな影響を受けることもなかった。
ですが、ライバルが次々と現れてくるから常に工夫は必要です。
とはいえ、なんたってマーケットが広大なので新規開拓もそれほど難しくはなかった。
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販売戦略を考えるときは取引の金額だけではなく、マーケットのサイズを視野にいれることを忘れないでください。
大手企業と取引を開始したら振り回されることにならないか。
他にも同規模の大手の取引先を増やすことができるのか。
特に小さな会社の新規開拓ではこのことはとても大きな意味を持ってきます。
マーケットのサイズで戦略が変わります。
あなたはどちらを目指しますか?
一社でドッカーンと売り上げを上げるのか、手堅いビジネスを選ぶのか……。
ー 撮影場所と機材 ー
港区六本木一丁目
Canon PowerShot G7X
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吉見 範一(よしみ のりかず)

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