何年ぶりだろう。
Aさんから相談に乗って欲しいと連絡があった。
相変わらず元気そうでした。
「これ、いいでしょう」
大きな紙袋から小分けにした袋を取り出した。
「まだどこも扱ってないんです」
いい素材が手に入ったらしい。
「そこでこんなものを作ってみたんです」
テーブルの上にサンプルを並べた。
他にも何種類か作ったらしい。
「前から私自身が欲しいと思ってたんですよ」
うれしそうにニコニコしながら広げて見せた。
「あのときの苦労はもうしたくないなと思ったからがんばって開発しました」
じーっと私の顔を覗き込むと、コップに手を伸ばしコーラに浮かんだ氷をストローで忙しそうにグルグル回す。
「これは売れると思いませんか?」
そう聞かれても私にはわかりません。
占い師に聞いてくださいとしか返事のしようがないんです。
基本的に、自分が欲しいと思った商品を開発して必死になって売ろうとすると、ほぼ例外なくめちゃめちゃ苦労することになる。
このまま進めばいばらの道になる確率が高すぎます。
「いいもの」を作ったから売れるわけじゃない。
いつの時代でもお客さんは「欲しいもの」を買います。
どんなに商品の良さを理解しても欲しいと思わなければ買いません。
逆にここまで高品質なものじゃなくても欲しいと思ったら買います。
これまで何度も説明しているのに、伝わらないんだよなぁ~。
繰り返します。
いいものが売れるわけじゃないんです。
現実問題として、お客さんが欲しいものを見つけてきて、それを手に入れる方法を教えてあげるほうが何倍もラクに売れます。
私がコンサルを受けなかったのは、Aさんは商品開発に自信があって、パッとひらめくと次々と作って、そのたびに売り方を教えてくれと言ってくるからです。
私にはお客さんが欲しいと思っていないものを売る方法はわかりません。
マグレで売れることがあるかもしれないけど ……。
自分が欲しいものを作って売るよりも、お客さんが欲しがっているものを見つけるほうが先決なんです。
ー 撮影場所と機材 ー
青森
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.
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研究するのはお客さんの未来です。
あなたの商品はお客さんにとって「どんな価値があるのか」を見つけましょう。
お客さんに価値のある未来を提供するために……。

吉見 範一(よしみ のりかず)

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