ポーチやトートバッグなどの
小物を製造・販売する会社で、
営業をやったことがあります。

営業で採用されたのに、
初日から倉庫に回された。
作業服で過ごす毎日がスタートです。

ずんぐりむっくりで、
がっちり体型の年配の担当者がいて、

その人から、生地の見方や
繊維の特徴、名称なんかを叩き込まれました。

実際に手に取ったり、
端切れを濡らしてみたり、
燃やしてみたり …… 。

ちょっとした実験みたいなことをしながら、
覚えていきました。

 

 

中でもいちばん勉強になったのは、
製品在庫のことです。

どの商品がよく動くのか。
どれが売れ残っているのか。

同じ商品でも、色によって
どれくらい差が出るのか。

慣れてくると、
「これは売れないかもな」と、
なんとなく見えてくるようになる。

そして、デッドストックを
どう処分するかを考えるのが、
じわじわ楽しくなってきた。

8ヶ月ほど倉庫通いが続いて、
やっと営業に配置転換。

カタログを見れば、
商品の特徴も、生地も、
すっと頭に入ってくる。

不慣れな営業ではあったけど、
商品知識に不安はありませんでした。

どれが売れるかはだいたい掴めていた。

在庫量も頭に入っている。

だから、どのくらいのロットなら
対応できるかも、
自信を持って提案できた。

発注から入荷までの流れも見えているので、
納期の話もしやすい。

いちばん面白かったのは、
デッドストックを
バーゲン企画に合わせて
「どう売るか」を考えることでした。

ピタリとはまって、
在庫処分がうまくいくと …… 。

 

 

これが、妙に気分がいい。

倉庫は片付くし、
来店客数は伸びる。

お客さんも、
破格の値段で手に入れて、喜んでくれる。

定番商品が売れるのは、もちろん嬉しい。

でも、在庫処分が進むあの感じも、
やっぱり楽しいんですよね。

…… 不思議なもので。

いちばん売れないはずだった在庫が、
いちばん記憶に残っている。

営業は倉庫から。

これ、私の体験では
かなり優秀な社員教育だった気がします。

そしてたぶん …… 。

いまでも私は、
「売れない理由」を探すほうが、
ちょっとだけ好きです。

 

 

 

ー 撮影場所と機材 ー

横浜/みなとみらい
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.

 

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吉見 範一(よしみ のりかず)

吉見 範一(よしみ のりかず)

「ちいさな会社の販売戦略」を設計する専門家/ 経営者を対象とした少人数制の個別コンサルティング = Y’s CLUB = 主宰
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